清里町にある「さくらの滝」は春から夏頃になるとサクラマスが遡上し、大きな滝をジャンプして乗り越えようとする姿を見ることができる人気スポットです。
さくらの滝やサクラマスについて
清里町を流れる斜里川の「さくらの滝」では、何度も跳ね返されながらも、滝を乗り越えようと果敢にジャンプを繰り返すサクラマスの生き生きした姿を見ることができます。
サクラマスは北海道ではヤマベと呼ぶことも多いヤマメという魚と同じ種類ですが、その見た目は大きく異なります。
川で生まれてから1年ほど経った幼魚は、そのまま川に留まるか川を下って海や湖に出るかを選択します。川でたくさんエサを食べることができた個体は川に留まることが多く、この河川残留型のものをヤマメ(ヤマベ)と呼び、エサをあまり食べることができず海や湖へ移動する個体をサクラマスと呼びます。豊富なエサを求めて川から移動するサクラマスですが、湖や海には捕食者も多く、厳しい競争を生き抜いた個体だけが大きく成長することができます。生き抜いたサクラマスはヤマメよりも体が大きくなり、体色も鮭に似た銀白色になります。また、産卵期になると体にピンク色の模様が表れ、桜色になることからサクラマスと呼ばれるようになったとされています(諸説あります)。
大きく成長したサクラマスは子孫を残すため、再び川に戻ります。この際の川の遡上が「さくらの滝」で見ることができるサクラマスのジャンプで、上流の産卵場所を目指してサクラマスは4メートル近い落差の滝に向かってジャンプを繰り返します。
ジャンプの見ごろは?
さくらの滝でのサクラマスのジャンプが見られるのは例年、5月下旬から8月下旬までです。サクラマスは産卵期を迎えると体色が桜色になりますが、産卵を終えたサクラマスは次の世代に命を託して死んでしまうので、ジャンプするサクラマスの体色が桜色になる8月下旬ごろはジャンプが見られる時期の終盤です。サクラマスは水温が高くならないとジャンプをしないので、まだ水温の低い6月下旬頃までは午後の気温が上がる時間帯に見に行くのがおすすめです。
見る際の注意点
産卵のために戻って来るサクラマスはもともと禁漁ですが、そのほかの魚についてもさくらの滝で釣りをすることはできません。また、さくらの滝は周囲を森林に囲まれているため、熊の出没には注意しましょう。夏の時期はアブなどの虫も多く出てくるので、訪れる際は長袖長ズボンを着用し、虫よけスプレーなども使用することをおすすめします。
観賞場所の川側先端は崩落の危険性があり、立ち入りが禁止されているので、規制場所に立ち入っての観賞や撮影はやめましょう。
アクセス
さくらの滝は最寄の「緑駅」からも歩いて1時間以上かかる場所に位置するため、公共交通機関で行くのはあまり現実的ではなく、レンタカーや自家用車などの車で行くのが基本になります。
清里町から約25分(約16km)
知床斜里から約40分(約28km)
網走市から約1時間(約56km)
弟子屈町から約50分(約40km)
釧路市から約2時間10分(約115km)
北方面(清里町・知床斜里など)から
清里町市街方面から向かう場合、道道1115号線(摩周湖斜里線)を南の緑町方面へ走り、青葉神社の横を左折します。左折する場所には「さくらの滝」方向に矢印の付いた小さな看板があります。
左折後、約700m進み、橋を渡ったあとに右折します。右折する位置にも「さくらの滝」方向に矢印の付いた小さな看板があります。
道なりに1.7km進み「さくらの滝ここです」という矢印付きの小さな看板を目印に右折すると到着です。
南方面(弟子屈町・釧路など)から
釧路など南側から向かう場合、国道391号線での野上峠を越えて行くのが定番のルートです。途中で摩周湖や屈斜路湖などに寄って観光することもできます。
野上峠を越えて約9km走ったあと、青い看板で「清里」の表示がある道道805号線方向に右折します。
約1km進んだところで、青い看板の「緑、中標津、裏摩周、緑の湯」の表示がある方へ右折します。
約1km走ったあと小さな道に左折します。
すぐに交差点がありますが直進します。
約700m進み橋を渡ったあとに右折します。右折する位置に「さくらの滝」方向に矢印の付いた小さな看板があります。
道なりに1.7km進み「さくらの滝ここです」という矢印付きの小さな看板を目印に右折すると到着です。