北海道には花粉症の人が少ないというのは本当なのでしょうか。どうやらスギの花粉症は少ないみたいですが、その代わり北海道特有のシラカバ(シラカンバ)の花粉症などがあるようです。
今回は北海道の花粉症事情について紹介したいと思います。
スギ花粉症について
本州で花粉症というとメインになってくるのがスギの花粉によるものです。スギが自生する北限は青森県と言われていますが、北海道でも道南では古くからスギの植栽が行われています。道南スギ産地形成推進協議会のHPによると、道南のスギ人工林の面積は約3万2千haで、特に木古内、知内、福島、松前では人工林の半分以上がスギ林になっているようです。そのため、道南ではスギの花粉症に悩まされる方もいますが、20万haを超える青森県などに比べるとスギの量は少なく、道南に限られていることから、北海道全体で見ると、スギ花粉症の方は本州に比べるとかなり少なくなります。本州で花粉症に悩んでいた方が、北海道に移住してきて、花粉症が改善したというのは良く聞く話です。
北海道の花粉症
一方で、北海道には北海道特有の花粉症もあります。ここでは北海道の花粉症の原因となる主な植物「シラカバ、ハンノキ、イネ科植物、ヨモギ」について紹介します。
シラカバ
北海道では森林内に限らず、街路樹としても利用されているシラカバ(シラカンバ)は、4月下旬から6月上旬まで花粉が飛散します。近年の北海道では、このシラカバによる花粉症が増えていると言われています。道立衛生研究所では、道内の主要都市においてシラカバの花粉量を観測していて、その結果によると、最もシラカバ花粉が多かったのが札幌で、旭川、北見、帯広、函館の順に少なくなったそうです。札幌では花粉症の代表的な原因がこのシラカバとなっています。
シラカバ花粉症の方の何割かは果物過敏症を併発し、リンゴやサクランボなどを食べることで、口の中が痒くなったり、ひどいと吐いてしまったりすることもあるので注意が必要です。
ハンノキ
3月中旬から4月中旬に花粉が飛散するハンノキですが、花粉がシラカバと似ているため、シラカバ花粉症の方はハンノキの花粉でも症状が出る場合があります。
イネ科植物
シラカバの花粉症が増加する前は北海道の主な花粉症の原因となっていたのが牧草などのイネ科植物です。6月下旬から7月下旬に花粉が飛散し、特に道東では花粉症の主な原因のひとつになっています。カモガヤなどは牧草として北海道に輸入されましたが、現在では野生化して道内に広がっています。ややアレルギー症状が強くなることもあります。
ヨモギ
8月下旬から9月中旬に花粉が飛散するヨモギも花粉症の原因になりますが、花粉は重く、あまり遠くへは飛ばないので、上で紹介した植物に比べると、あまり重要視される原因ではありません。
最後に
北海道では、本州の花粉症の主な原因となるスギは少ないものの、シラカバなど北海道特有の花粉症があることを今回は紹介しました。花粉症の対策には、予防的に薬を飲むという方法があります。北海道立衛生研究所では、花粉症の原因となる植物ごとに、花粉の飛散状況の観測や飛散時期の予測をしているので、気になる方は参考にしてみてくださいね。