札幌のシンボルともなっている大通公園のテレビ塔ですが、名古屋の久屋大通公園にあるテレビ塔とそっくりだと言われています。いったいなぜなのでしょうか。今回は札幌と名古屋のテレビ塔が似ている理由などを紹介したいと思います。
そっくりなテレビ塔
札幌の大通公園にあるテレビ塔は名古屋の久屋大通にあるテレビ塔(中部電力MIRAI TOWER)ととても似ていると言われています。実際に写真を比較してみるとそっくりであることがわかります。
テレビ塔の下の方にフロアがあり、上の方に展望台があることも一緒です。ちなみに札幌のテレビ塔下部のフロアにはレストランやレンタルホール、お土産屋さん等が入っており、名古屋のテレビ塔下部のフロアには同じようにお土産屋さんやカフェがあるのに加えてホテルも併設されています。
どちらのテレビ塔も夜にはライトアップが行われ、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。
まわりの街並みもそっくり
札幌のテレビ塔があるのは大通公園で、名古屋のテレビ塔があるのは久屋大通公園という場所なのですが、実はテレビ塔から眺めるこの2つの公園もとても似ています。
どちらの公園も沿道には樹木が植えられ、両側に道路が走るとともにビルで囲まれています。この2つの公園は元はどちらも街の防火という目的で作られたもので、札幌の大通公園は東西にのびていますが、名古屋の久屋大通公園は南北にのびる形になっています。
どちらの公園も夜にはテレビ塔の展望台からきれいな夜景を楽しむことができます。
テレビ塔はなぜ似ているのか
とても似ている2つのテレビ塔ですが、札幌のテレビ塔が完成したのは1956年、名古屋のテレビ塔が完成したのは札幌より2年早い1954年になります。なぜこの2つのテレビ塔がそっくりなのかというと、実は設計者が同じ「内藤多仲」氏であるためです。内藤多仲氏は日本の耐震構造を発展させた「耐震構造の父」とも呼ばれる建築家で、別名「タワー博士」とも呼ばれ、東京タワーや通天閣、などの設計も手掛けています。このほか別府タワーや博多ポートタワーの設計もしており、この6つの塔はタワー6兄弟と言われています。6つ全てのタワーが似ているわけではないですが、完成時期も近い札幌テレビ塔と名古屋テレビ塔は兄弟の中でも似ている2つのタワーとなっています。
国の登録有形文化財へ
札幌のテレビ塔は国の文化財登録に向けて2024年度に申請する予定となっています。名古屋のテレビ塔は2022年にすでに国の重要文化財に指定されており、近いうちにそっくりな2つの兄弟タワーがそろって文化財に登録される日が来るかもしれません。