6月頃の初夏になると札幌の街中にふわふわとした綿毛が飛び、雪のように地面を覆います。一体あの綿毛は何なのか気になっている方も多いと思いますが、実はフワフワの綿毛の正体はポプラの種なんです。
街中を飛ぶ綿毛
街中をフワフワ飛ぶ綿毛は初夏の札幌の風物詩で、道の端にたまった白い綿毛はまるで雪を思わせます。札幌に長く住んでいる方にはお馴染みですが、札幌で新たに生活をはじめたばかりの方にとっては一体なんなのか不思議な光景です。実はあのフワフワの正体はポプラの種なんです。
ポプラについて
ポプラとは一般的にヤナギ科ヤマナラシ属に分類される樹種の総称で、主にセイヨウハコヤナギを指します。北海道では街路樹や牧場の境界、防風林などとして利用されており、札幌ではよく見かける樹種のひとつとなっています。成長が早い一方で、樹木としては寿命はあまり長くなく、数十年から100年ほどで老樹になるといわれてます。
防風林として用いられることもあるポプラですが、根が浅いこともあり実はあまり風には強くなく、札幌で有名な北海道大学のポプラ並木も2004年の台風により、50本中19本が倒れてしまい大きなニュースになりました。
ポプラは雌雄異株で、雌木は例年4月から5月くらいに紐状の花を咲かせ、5月から6月頃に熟す果実から種子と一緒にフワフワした綿毛が飛び立ちます。この種子が初夏の札幌を漂う綿毛の正体というわけです。
少し厄介なことも
雪のようにキレイな綿毛ですが、札幌市民にとっては少し厄介な存在でもあります。綿毛は花粉ではないのでアレルギー反応の心配はありませんが、それでも外を歩いていると服についてしまったり、自転車に乗っていると口などに入ってきてしまうこともあります。
また、時には綿毛が火災の原因になることもあります。札幌ではBBQなどの火がポプラの綿毛に燃え移ることが原因の火災がしばしば発生しています。ふわふわした綿毛はとても燃えやすいので、近くで火を扱う際には十分な注意が必要になります。
ポプラのおすすめスポット
少し厄介な存在ではありますが、見た目は雪のようでとても綺麗なポプラの綿毛、見てみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
札幌市内でポプラ並木が見られるスポットとしては、北海道大学や前田森林公園が有名です。
ただし、ポプラは雌雄で樹形が異なり、雄の株がスラっと真っすぐ上に伸びるのに対して、雌の株は少し横に広がった形になります。そのため、ポプラ並木や街路樹として利用されるは真っすぐ伸びる雄木が多く、ポプラは雌しか綿毛を飛ばさないので、雪のような綿毛の光景はあまり楽しめません。札幌市内で雪のような綿毛が見られるスポットとしては北海道立近代美術館や北海道庁赤レンガ庁舎前庭がおすすめです。
特に北海道立近代美術館は、一面が白い綿毛に覆われ、季節外れの白銀の世界を楽しめるスポットして人気です。
札幌市民にとっては少し厄介なポプラの綿毛ですが、真っ白な風景はとても綺麗なのでぜひ訪れてみてくださいね。