【ニッカウヰスキー余市蒸留所】見学ツアーの見どころから無料試飲や限定ウイスキーまで徹底紹介

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日本のウイスキーの父と呼ばれるニッカウヰスキーの創業者「竹鶴政孝」。本物のウイスキーづくりを学ぶため、単身スコットランドへ渡った彼が、ウイスキーづくりのための理想郷として、選んだのが北海道の余市です。
そんなニッカウヰスキー余市蒸留所は、ガイド付きツアーで、実際にウイスキーづくりに使われている貴重な建物や、製造過程を見学することができます。
また、ガイド付きツアーに参加しなくても楽しめるニッカミュージアムや、限定販売のウイスキーを購入できる売店などもあります。
今回はそんなニッカウヰスキー余市蒸留所について、紹介したいと思います。

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ニッカウヰスキー余市蒸留所について

余市町について

蒸留所のある余市町は、札幌から西へ約50km、高速道路も通っており、札幌から車で約1時間のところにあります。
スコットランドでウイスキーづくりを学んだ創業者・竹鶴政孝が余市を選んだのは、スコットランドに似た気候、豊かな水源と、凛と澄んだ空気がそろっていると考えたから。
当時、余市には民家もほとんどなく、寂しい土地でしたが、仕込み水に適した清涼な雪解け水、樽熟成に欠かせない湿潤で冷涼な気候、北に日本海を臨み、三方を山々に囲まれた余市は理想のウイスキーづくりにぴったりでした。

余市の海

余市蒸留所の特徴

ニッカウヰスキー余市蒸留所は、1983年に竹鶴政孝によって設立されてから、今でも重厚で力強い余市モルトをつくり続けています。
本場のウイスキーづくりを学んだ彼が、スコットランドの製法を再現するためにこだわったのが「石炭直火蒸留」。適切な火力が保たれるように石炭をくべ続けるのには、熟練の職人の技が必要なため、今ではスコットランドでも珍しくなっているこの手法ですが、余市蒸留所では、余市モルトの重厚でコクのある味わいや香りを出すため、今もこの伝統の技を守り続けており、これこそが他とは異なる余市蒸留所の特徴となっています。

余市蒸留所とリンゴジュース

余市町では今でもリンゴなどの果物をたくさん作っていますが、創業当初、ウイスキーはすぐに出荷できないため、余市で採れるリンゴなどの果物を使って、ジュースやジャムなどの加工商品を製造していたそうです。
そのため、当時は社名も「大日本果汁株式会社」としていましたが、その後、昭和27年に大日本の「日」と果汁の「果」を取って「ニッカウヰスキー」と社名を変更しています。

見学ツアーについて

以前は、蒸留所内を自由に見学することができましたが、現在は予約制のガイド付きツアーのみになっています(2022年11月時点)。
料金は無料で、ウイスキーの試飲も付いています。

ツアーの予約

予約は、見学希望日の2週間前から公式サイトまたは電話からできますので、行く方は事前に予約をしましょう。特に週末の見学ツアーは、予約がいっぱいになりやすいので、行く日が決まっている場合は早めの予約をおすすめします。

【公式サイト】https://www.nikka.com/guide/yoichi/about.html
【TEL】0135-23-3131(受付時間 9:00〜16:30)
【開催時間】午前9:00~12:00、午後13:00~15:00
 ※毎時00分、30分に開催(12:30はお休み)
【所要時間】見学約40分+試飲・買い物など約30分
【料金】無料
【休業日】12月25日~1月7日

見学ツアーの様子

ここからは実際に参加してきたガイド付きツアーの様子を紹介します。
余市蒸留所の正門は、現在ガイドツアーの参加者限定の入口になっています。ガイドツアーには参加せず、売店・ミュージアム・レストランのみを利用する方はニッカ会館側から入場できます。

ニッカウヰスキー余市蒸留所の正門

正門から入り、受付を済ませるといよいよ蒸留所内です。

蒸留所内の様子

蒸留所内に入ると、ツアーの開始時間まで待合室で待機します。(写真の待合室は現在リニューアル中のようです)

待合室

待合室の入口では、ニッカウヰスキーを象徴するステンドグラスがお出迎えしてくれて、いよいよ気持ちも高まってきます。

開始時間になると、ガイドさんから注意事項などの説明を受けてからツアー開始です。まずは蒸留所のシンボルでもある赤い三角屋根の乾燥棟(キルン塔)です。ここはピート(草炭)で大麦をいぶしながら乾燥させ、発芽を止めて大麦麦芽(モルト)を作る建物。

乾燥棟

続いて蒸留棟の見学です。建物の中には大きなポットスチルが並んでいて、余市蒸留所のウイスキーづくりの特徴である石炭をくべながらの石炭直火蒸留の作業風景を見ることができます。

蒸留棟

ポットスチルの形は蒸留所により異なり、それによりウイスキーの風味の違いが生まれます。余市蒸留所は、重厚でコクのあるモルトをつくるためのストレートヘッド型になっています。
ポットスチル上部の注連縄は、竹鶴政孝の実家が造り酒屋で、良いウイスキーができるように願いを込めて、風習を取り入れたものだそうです。

見学中も実際に職人さんが、石炭をくべて火力を調整する作業を行っていました。

適切な火力を保つように石炭をくべる作業は、熟練の技術が必要で、本場のスコットランドでもあまりやらなくなった昔ながらの製法を、実際に見学できる余市蒸留所は、今ではとても希少な存在です。

粉砕・糖化棟や醗酵棟については、建物の外でガイドさんからウイスキーの製造工程に関して説明を受けつつ、次に見えてくるのは、竹鶴政孝がかつて使っていた旧事務所です。
余市町から指定文化財として認定されている建物です。
ツアー中は人数が多いので中に入れませんが、ツアー参加者は、ツアー後、自由に中を見学することができます。

旧事務所

次に見えてきたのは、研究室として使われていた現リタハウスです。現在見学はできませんが、外観がレトロでかわいい建物です。

リタハウス

竹鶴政孝が夫人リタと暮らしていた住居も、余市町郊外から工場内に移築して復元されています。中もツアー後に見学でき、和洋折衷の素敵な作りとなっていました。

旧竹鶴邸の外観
旧竹鶴邸の内観

続いて貯蔵庫の見学です。適度な湿度を保つため地面は土のままで、外壁は石造りで夏でも涼しくなるよう造られています。中にはウイスキーを熟成させる樽がずらり。樽は今でも、熟練の職人さんの手によりひとつひとつ手作りされているそうです。

見学ツアーはここで終わり、ここからはお待ちかねのウイスキーの無料試飲です。

ニッカ会館(試飲会場)

ツアー参加者は、ニッカ会館2階のガイドツアー専用エリアへ。

試飲会場のカウンターで試飲用のウイスキーセットを受け取ります。会場にはお水や炭酸水も用意されているので、水割りや炭酸割りにもできます。

今回訪れた際の試飲用の銘柄はこちらの3種類。

・シングルモルト余市
・スーパーニッカ
・アップルワイン

試飲会場

運転手や子供など、お酒を飲めない参加者には、お茶やジュースも用意されています。
それぞれ試飲を楽しんだ後は、ツアーはここで自由解散になります。

ショップについて

余市蒸留所の売店「ディスティラリーショップ ノースランド」では、蒸留所を代表するシングルモルト余市や宮城狭のシングルモルトをはじめ、ここでしか手に入らない限定のウイスキーも多数扱っています。

【営業時間】9:15~16:15(最終入店15:30)

お店の外観
店内の様子

店内にはニッカウヰスキーのつくる様々なウイスキーや、ウイスキーに合うチョコレートのほか、バッグなどの余市蒸留所グッズが並んでいます。

樽に入ったチョコレート
こんなかわいいお土産も
余市蒸留所グッズ

蒸留所を代表するウイスキー

蒸留所に来たからには、その蒸留所でつくられたウイスキーをお土産に選ぶのも良いですよね。ここでは、ブランド名にも蒸留所の名前が入った、蒸留所を代表するウイスキーを紹介します。
また、売店では余市蒸留所だけでなく、宮城狭蒸留所でつくられたウイスキーも並んで販売されているので、飲み比べてみるのも楽しそうですね。

シングルモルト余市
余市蒸留所で製造されたモルト原酒のみを使用した、重厚で力強く、複雑で深みのある味わいのシングルモルトウイスキーです。麦芽の甘さと豊かな果実香が調和した、ピートの味わいと香ばしさが特徴。

シングルモルト宮城狭
宮城狭蒸留所で製造されたモルト原酒のみを使用した、華やかでフルーティー、なめらかな味わいのシングルモルトウイスキーです。りんごや洋梨を思わせる甘く華やかな香りと、樽由来のやわらかなバニラ香が調和したウイスキー。

蒸留所限定販売のウイスキー

ニッカウヰスキーの蒸留所の売店では、訪れた人しか買えない限定販売のウイスキーがいくつかあります。ここではそんな蒸留所限定販売のウイスキーを紹介します。限定販売のウイスキーはお土産にもぴったりです。

ピュアモルト Black
余市のモルトをベースにつくられたコクと豊かな味わいが特徴のウイスキーです。

ピュアモルト Red
宮城狭のモルトをベースにつくられたやわらかな味わいが特徴のウイスキーです。

シングルカフェグリーン
軽やかで柔らかな樽香とバニラ香が調和したグレーンウイスキーです。

シングルアップルブランデー弘前12年
リンゴのフルーティーな香りと熟成感の調和がもてなすブランデーです。

余市蒸留所ブレンデッド
甘く香ばしい香りと、コク深く厚みのある味わいのモルトとグレーンの甘さが調和した蒸留所限定のブレンデッド。

宮城狭蒸留所ブレンデッド
華やかな香りの麦の甘さが特徴のモルトと、熟成させたグレーンが調和した蒸留所限定のブレンデッド。

シングルモルト余市 ピーティー&ソルティー
燻製のようなピートと潮の香り、モルトの豊かな味わいと果実のような甘さ、かすかな塩味が感じられるウイスキーです。

シングルモルト余市 ウッディ&バニラ
新樽のウッディーさとバニラの風味、バナナやマンゴーを思わせるフルーティーな香り。濃厚でまろやかな口当たり、樽のタンニンと甘いコクを感じる味わいのウイスキーです。

シングルモルト余市 シェリー&スイート
レーズンや杏のような果実香と、カカオのような香ばしさ。濃厚な果実の甘みと樽由来の心地よいほろ苦さとコク。華やかな余韻のウイスキーです。

レストランについて

蒸留所敷地内には、スコットランドの伝統料理や、リタ夫人のレシピを再現した料理を楽しめるレストラン「」があります。
メニューは、オムライスやスパゲッティのほか、パイやフィッシュ&チップスなどのアラカルトもあります。また、大人にはウイスキーのテイスティングセットもありますよ。
こちらも予約なしで利用できるので、見学ツアー後の食事や、レストランだけの利用でも、美味しい食事とウイスキーで一杯なんて良いですね。

【営業時間】10:30~15:50(ラストオーダー 15:20)

「レストラン樽」外観
メニュー

ニッカミュージアムについて

これまであったウイスキー博物館が、ニッカミュージアムとして2021年秋にリニューアルオープンしました。無料で自由に見学できて、中には有料の試飲コーナーもありますよ。

【開館時間】9:15~16:15(最終入館 15:30、有料試飲ラストオーダー 16:00)
【入場料】無し
【見学】自由見学(予約不要)

ニッカミュージアムの外観

ミュージアムの展示

中に入ると、ニッカウイスキーの魅力や歴史を紹介する展示があり、とてもおしゃれな空間になっていました。

入ってすぐのスペースには、ブレンダーが実際に使用するテーブルを再現した「ブレンダーテーブル」があり、様々なウイスキーが並びます。

ニッカウヰスキーを代表する4つのブランド「余市」、「竹鶴」、「ブラックニッカ」、「フロム・ザ・バレル」を紹介するコーナーもあります。

テイスティングバー(有料)のメニューなど

ニッカミュージアムの奥には、蒸留所限定のウイスキーをはじめ、ニッカウヰスキーのさまざまな銘柄を試飲できる有料のテイスティングバーがあります。
メニューには約30種類ものウイスキーがあり、それぞれ15mlでのテイスティングができます。
ここで気になるウイスキーを試飲してからショップでお土産のウイスキーを購入するのもおすすめです。

テイスティングバー(有料)

アクセスや駐車場

ニッカウヰスキー余市蒸留所の場所についてはこちらのマップをご確認ください。

車で行く場合

車で行く場合、専用の無料駐車場が利用できます。予約制ガイド付きツアーの参加者と、そのほかの施設のみ利用の場合で駐車場が異なるのでご注意ください。
予約制ガイド付きツアーに参加の場合、正門に近い駐車場が利用できます。場所については下のマップをご確認ください。

ニッカウヰスキー余市蒸留所公式サイトから引用

見学ツアー以外の他施設のみ利用の場合、ニッカ会館前の駐車場を利用できます。

JRで行く場合

JRで行く場合、JR「余市駅」から徒歩約2分です。

バスで行く場合

バスを利用する場合、小樽駅前バスターミナルから乗車し(倶知安/岩内/美国/余別/余市梅川車庫行き)、余市駅前十字街下車、徒歩約2分です。

まとめ

いかがだったでしょうか。ニッカウヰスキー余市蒸留所。ガイド付きツアーのあとにはレストランで食事をしたり、ショップでお土産を選んだり、ウイスキー好きには見どころ満載でとても楽しめるスポットなのでぜひ訪れてみてくださいね。

所在地北海道余市郡余市町黒川町7-6
TEL0135-23-3131
営業時間【予約制ガイド付きツアー】 9:00~15:00の毎時00分、30分に開催(12:30は休み)
【ニッカミュージアム】 9:15~16:15(最終入館 15:30、有料試飲ラストオーダー 16:00)
【売店ノースランド】 9:15~16:15(最終入店15:30)
【レストラン樽】 10:30~15:50(ラストオーダー 15:20)
定休日12月25日~1月7日
アクセス【JR】「余市駅」から徒歩約2分
【バス】小樽駅前バスターミナルから乗車し余市駅前十字街下車、徒歩約2分
駐車場有り(無料)
公式公式サイト / Twitter

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