札幌市の北側に隣接する石狩市ですが、最近大きなニュースが飛び込んできました。なんと新たな移動手段としてロープウェーの導入に向けて調査を行うそうです。今回はそんな石狩市の都市型ロープウェー導入について紹介したいと思います。
石狩市のロープウェー計画
日本海に面する石狩市は、現在公共交通手段はバスしかなく、移動には自家用車がないと少し不便なまちです。これまで、鉄道やモノレールなどの計画が立ち上がったものの、莫大な建設費や採算性が確保できないことから中止になってきました。そんな石狩市に新たに計画として立ち上がったのが、ロープウェーを移動手段として建設するという計画です。石狩市は、この計画の実現に向けて、国から約1,400万円の補助金を受けて、ルートの調査などを開始します。
冬の移動手段としても期待
このロープウェイに期待されるのは、バスに代わる新たな交通手段となることです。スキー場にも設置されているロープウェーは、雪や寒さにも強く、冬でも安心して移動できる交通手段として期待されています。しかしその一方で、ロープウェイの弱点となるのが風の影響を受けやすいことで、特に冬には風が強くなり吹雪くことも多い石狩で、ロープウェイが実現するのか少し不安な面もあります。
モデルは横浜の都市型ロープウェー
全国的に見ても、都市型のロープウェーというと、横浜のみなとみらいで2021年に運行を開始した「YOKOHAMA AIR CABIN」が一例あるのみです。横浜の場合はみなとみらいの風景や夜景を楽しめる観光スポットとしてロープウェーが活用されていますが、観光ではなく移動手段として都市型ロープウェーが実現すれば全国でも初になります。
石狩と札幌を繋ぐルート
石狩のロープウェーは、最終的には札幌中心まで移動できる手段としてルートの設定が期待されていますが、石狩市のまちの中心から直線距離にすると約10kmほどになります。現在、国内で最長のロープウェイは新潟県の苗場にある「ドラゴンドラ」で、長さは5,481mなので、石狩から札幌までのロープウェーが実現すると、国内最長となります。
再生可能エネルギーの送電にも期待
また、移動手段のほかにも石狩市のロープウェーは、再生可能エネルギーの送電ラインとしての活用も期待されています。石狩市には、風力発電をはじめとした再生可能エネルギーの施設がたくさんあり、石狩市で生産した再生可能エネルギーをロープウェーに使うだけでなく、ロープウェーのルートで札幌に運び、活用する計画ともなっています。
最後に
最終的には調査の結果どのようになるのかわかりませんが、実現すれば石狩と札幌を繋ぐ夢の移動手段となるので期待ですね。